プロトタイプ
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これは私たちの量子暗号デバイスの実機です。
左右でホスト側とターミナル側で分かれており、双方の接続状況をパソコンの画面で画面で確認出来るという構造になっています。*それぞれ右端下方向に開発済みの量子チップが実装されています。
双方の量子チップから発信されるランダムな原子崩壊による乱数を基盤を通して分かりやすく数値化したものを表示させて、ペアリングの状況を確認するシンプルな構造になっています。
上記の接続した写真の構図は以下の状態を表すことになります。
このプロトタイプを使って量子暗号接続状態のXORを解析することが出来ます。これは量子チップの安全性を確認することが可能です。(XORを解析出来る=量子暗号を破ったということになります)
GNA量子チップには使用実績のある安全性の高いAm241のα崩壊によるアルファ粒子を使用しています。
以前までは、1956年にノーベル物理学賞を受賞したヤンとリーによって証明された*パリティ対称性の破れによって、原子崩壊過程(α崩壊、β崩壊)のうちβ崩壊時のベータ粒子は完全にランダムではないことが証明されていた。従ってアルファ粒子においても完全にランダムであることが分かってはいなかった。しかし、*2022年日本の研究者達により、原子核がα崩壊時に出すアルファ粒子が完全にランダムであることをパリティ対称性を用いて証明されました。この論文は世界的科学メディアのネイチャーに掲載されています。
ベースとなる技術:理想的な乱数実現へ ―「パリティ対称性」利用が有効―
真正乱数の研究は世界の研究者達が行っていますが、実用的な真正乱数生成器はごくわずかしかなくフォトンを使ったものが殆どです。私たちの乱数生成器は原子崩壊というユニークな原理を活用したもので乱数を発生させるエネルギーは自然崩壊のエネルギーによって出されるため、432年間無尽蔵にエネルギー放出される仕組みです。フォトンを使ったものよりもエネルギー消費量は非常に少なく発熱もありません。
将来的には、プロセッサの計算能力の向上や効率的なアルゴリズムの発見により、現在の暗号方式が十分でなくなる可能性はあり得ます。さらに近年、量子コンピュータの発展により、桁数の大きな複雑な暗号であっても、わずかな時間で解読されしまう事が予見されています。有名なショアのアルゴリズムによって殆どの暗号が解読出来るようになるとも言われています。
このように完全にランダムである真正乱数を使うことによって、セキュリティの脅威や量子コンピューターの普及による暗号解読を防ぐことが可能となります。