バリュエーション(ポジティブ)
バリュエーション ポジティブ
前項の5ヵ年計画損益計算書に基づいて、量子暗号デバイス製造販売事業のバリュエーションを以下に示します。注)参照した損益計算書にはCAGR(年平均成長率)約30%の高い成長率が反映されています。
DCF法によるバリュエーション
前提条件
割引率: 10%(ハイリスク・ハイリターンの事業特性を考慮)
永続成長率: 2%(長期的な安定成長を仮定)
各年度のフリーキャッシュフロー(FCF)予測
各年度の営業利益: 1年目: $7,644,335 2年目: $10,494,224 3年目: $16,639,066 4年目: $23,381,246 5年目: $31,794,140
上記を基にFCFを営業利益の80%と仮定します。これは、減価償却費や運転資本の変動、設備投資などを考慮した保守的な見積もりです。
1年目: $6,115,468
2年目: $8,395,379
3年目: $13,311,253
4年目: $18,705,997
5年目: $25,435,312
現在価値への割引
1年目: $5,559,516
2年目: $6,937,503
3年目: $9,997,573
4年目: $12,775,180
5年目: $15,793,546
5年間のFCF合計現在価値: $51,063,318
ターミナルバリュー(継続価値)の算出
ターミナルバリュー = FCF5年目 * (1 + 成長率) / (割引率 - 成長率) = $25,435,312 * 1.02 / (0.10 - 0.02) = $324,049,718
ターミナルバリューの現在価値 = $324,049,718 / (1.10^5) = $201,240,306
企業価値の算出
企業価値 = 5年間のFCF合計現在価値 + ターミナルバリューの現在価値 = $51,063,318 + $201,240,306 = $252,303,624
結論
DCF法を用いたバリュエーションの結果、この企業の推定企業価値は約2億5,230万ドルとなりました。この評価は以下の要因を反映しています:
高い成長率: 5年間で営業利益が4倍以上に増加する急成長を示しています。
収益性の向上: 営業利益の絶対額が年々大幅に増加しており、スケールメリットや事業効率の改善が見られます。
将来性: 2%の永続成長率は、長期的に安定した成長を続けると市場が評価していることを示唆しています。
リスク考慮: 10%の割引率は、事業の不確実性やリスクを適切に反映しています。
この企業価値評価は、強固な成長軌道と将来の収益性向上の期待を反映しています。ただし、実際の取引や投資判断においては、業界動向、競合状況、技術革新のリスクなど、定性的な要因も考慮する必要があります。
次項ではより保守的なバリュエーションを試みます。
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